ディッピーズ活動日記

ドローン空撮と3Dモデリングの技術を屈指して、 ありのままの自然を再現する

【リアルとバーチャルの差って何だろう?】 2021年3月に科学未来館行ってきた


 おはようございます。最近は気温も暖かくなり、梅や桜が少しずつ咲いてきました。例年より少し早い気がします。さて、今日は月初にお台場の科学未来館に訪れた際の記憶について振り返ります。


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3Fの逆算思考ゲームで見事に綺麗な水を次世代に残すことが出来た

 

NHK日本大震災展示フロア

当月の特別展示企画は東日本大震災をテーマとした展示会でした。今となってはコロナで大騒ぎですが、10年前の東日本大震災はそれ以上にこの国に後遺症を残した出来事でした。その衝撃は脳裏焼け付かれた筈でしたが、震災当日の映像を振り返っているとどれだけ頭の奥に眠っていたかに気付かされました。

 

一番のインパクトは被災者が亡くなった家族に対して手紙を残しているコーナーでした。この10年という区切りで世の中がどんどん変わって行く中、引き離されてしまった家族の絆と思い遣る気持ちは不変だなと感じました。10組の方のメッセージを拝見させて頂きましたが、皆さんの心の中には亡くなられた方達の時計の針がまだ止まっていませんでした。自分へのメッセージとして限られた時間の中でどれだけ悔いのなく、質の高い時間を過ごせるかによって何かあった時の反応が変わってくると命じました。

 

自然の中の計算機

 3Fの展示では自然の中の計算機というテーマの作品が印象的でした。呼吸をしている金魚と映像として泳いでいる金魚が隣り合わせにあり、観賞用として飼育されている魚はリアルとバーチャルの差が殆どないことに気づかされました。たまごっちが最初にリリースされた時代はバーチャルでペットを育てることはリアルとかけ離れていると思われていましたが、AIが進化した今、ソフトウェアが環境に対する変化の解像度が上がりこの差がかなり縮まってきました。強いて言うならば生命とは何かを追求し、その答えを導かなければ区別がつかなくなってしまいます。

 

その他にも陶芸の作品であるお椀を3Dスキャンし、点群データ化したものをメッシュ化してから3Dプリントした際に「レプリカには魂は宿るのか」と言う問いを掛けた展示がありました。見た目が100%近く再現されたオブジェクトは陶芸家が時間と魂を使って作りあげたお椀と同一と見なしていいのか考えさせるテーマでした。これは我々がテーマとしている自然の保存や再現をバーチャルで行う際に一生付き纏う視点であると感じ深く考えさせられました。

 

人間の五感で感とれる情報が完全に再現できていたとしたら、その出現方法が自然という計算機からなのかPCという計算機なのかの違いは本質的に意味があるのかはまだ答えが出ていません。言い方を変えればマトリックの中の世界で生きている場合、その世界の木は眠りから目覚めた世界の木と違いはあるのかということです。オリジナルとレプリカの本質が同一化している様な気がします。

 

ただ現実段階の技術力ではコンサートで聞く音楽とストリーミングする音楽の受け取り方が違うし、人型アンドロイドを見たときに何か不気味と感じる人が多いと思います。しかしこの境目が縮まっていく中何がこの不気味さを生んでいるのかを追求していくのはロマンのあるテーマなのではないでしょうか?

 

その答えを我々も活動の中で考えて行きたいと思います!